ホリデイ・トレッキング・クラブ
活動レポート

2018.9.1 竹を切り続けて13年!
愛着を持って河川環境を育てる~矢作川森林塾

 矢作川森林塾(以下森林塾)は、河川協力団体(※1)として、豊田スタジアム付近の矢作川の環境整備を行っています。以前の河川沿いは、竹が鬱蒼と生い茂り、荒れ放題の状態でしたが、森林塾では、地元企業や国交省、市役所と協力し8年かけて、約10万本の竹を伐採しました。その後も、毎週土曜日の午前6時30分から9時までの草刈り作業や、樹木の剪定など、河川環境の向上させる活動を続けています。
 
今回、9月1日の森林塾の活動にミズベリング豊田事務局メンバーが遅ればせながら参加しましたので、その様子を紹介します。
 

毎週土曜日は朝6時30分から草刈り

 
9月1日、小雨が降る中、朝早くから、倉庫の前に集合していた森林塾の皆さん。ここには草刈りの工具などが入っています。
 

 
当日、草刈りの途中には、豊橋河川事務所岡崎出張所の所長が、挨拶に顔をだす一場面も。所長も組織の肩書きを超えてこの市民活動に参加しているようです。
 
「岡崎出張所の所長も協力していただいていています。色々調整ごとも多くて大変でしょうが、ありがたいです」と、森林塾理事長の硲(はざま)さんは言います。
 

(「高齢者と子供が憩える林を作りたい」と語る、森林塾理事長の硲さん)
 
草刈りが始まると、みなさん草刈機に乗って、器用に草を刈っていきます。地味な力仕事を黙々をこなします。
 

(草刈り機を器用に乗りこなす森林塾のみなさん)
 
「昔は竹林が鬱蒼と生い茂っていて、 1m先が見えない状況だったんだ」
硲さんたちは、 10万本もの竹を切り、処理をしてきたといいます。
「ほら、いまではこうやって川が見えるようになったんだ。ここを憩いの場所にする、ということが現実になったのさ」
 

(木々の間から川面が見える、対岸には釣り人の姿が。以前は、竹林が荒廃して川が見えない状態だったが、約10万本の竹を伐採したことで、川沿いの景観が向上。)
 
 森林塾は、ボランティアの方々で成り立っているため、当日になるまで、参加人数がどのくらい集まるのかわかりません。今回の我々のような飛び込みの参加もあるので、当日集まった人数に合わせて、硲さんが上手く仕事を割り振っています。
 
草刈り作業は、だいたい朝6時30分から9時まで、間に休憩を挟みつつ、約2時間30分ほど行っています。夏の日も冬の日も、毎週朝早くから、草刈りをしているという。すべての会員が毎回来ているわけではありませんが、硲さんは奥さんとともに毎回ここに顔を出します。リーダーの役割は重大です。
 
「今度は 240名もの学生さんたちがきてくれるんだ。毎年の恒例行事になっているんだけど、来てもらったボランティアのひとたちのために仕事をつくるのが大変なんだ」
運営をし続け、その活動に責任をもちつづけるリーダーの苦労が垣間見れた瞬間でした。
 

たのしいティータイム

 
毎回活動のあいまには、ティータイムが用意されています。お茶菓子や飲み物を用意するのは硲さんの奥様、さくらさんの役割です。
 

「私は東京から引っ越してきて豊田にやってきたの。都会からきたでしょ?だから豊田のまちなみを見て驚いたわ。当時は駅前に 3階建ての建物が 1つだけあったの。実の母を安心させるために電話して 3階建ての建物があることを自慢したことを思い出すわ。あれからずいぶん豊田市も変わった」
 
大阪からきた硲さんと東京からきたさくらさんたちにとって、大手メーカーでの勤務とは別の形ではじめたこの河川の環境を整える活動は、大きな広がりを見せて豊田の風景に大きな影響を与え続けている。
 

見上げるときのみが~豊かな矢作川の植生環境

 
作業の休憩時間を利用して、硲さんが、矢作川河川沿いの豊かな植生を案内してくれました。
 
・椿の森
椿の木が群生している場所があり、今の時期は椿の実が大量に実っています。かなり密集しており、間伐が必要なので、地元の高校生と作業する予定、とのことです。
 

(椿の木にはぎっしり実がなっていた)
 

(まるまるとした椿の実)
 

(かなり密集して生えているため、間伐が必要)
 
・クルミの木
今の季節は、クルミの実がたわわに実っていました。青い実を剥くと、中からお馴染みの形のクルミの種が出てきます。アクの強い実は草木染にも利用でき、茶色~灰色に染まるそう。
 

(クルミの実は木から落ちると、下の写真のようにどんどんシワシワになっていきます)
 

(木から落ちると、シワシワになる)
 
このあたりはクワの木なども多く自生しているそうです。また、かなり立派な大木もありました。
 

 
土曜の早朝から、毎週続けて、しかも無償で、広範囲にわたる草刈りを続けることは大変なことです。しかし、みなさん和気あいあいと、作業しているのが印象的でした。
 
「ここを高齢者と子供の憩いの場にしたいんだ。」そう言う硲さん。硲さんのやさしくオープンな人柄に、幅広い年齢層の参加者が集まり、ここでさまざまな交流があるようです。ミズベリング豊田の活動に参加していただいている方々のうち、この森林塾の活動に参加している方々もたくさんいるようです。
矢作川森林塾 facebook
https://www.facebook.com/Npoyahagigawashinrinjuku/
 
 
※河川協力団体制度とは
河川の維持、河川環境の保全などの河川の管理につながる活動を自発的に行っている民間団体等を『河川協力団体』として法律上位置付け、河川管理者と河川協力団体が充実したコミュニケーションを図り、互いの信頼関係を構築することで、河川管理のパートナーとしての活動を促進し、地域の実情に応じた河川管理の充実を図ることを目的として制度化されたもの。
 
国土交通省 ホームページ(河川協力団体制度)
http://www.mlit.go.jp/river/kankyo/rcg/index.html

 

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